それは風のように 小山田壮平

古いアルバムにあの日と同じ瞳を見つけた僕を見つめる瞳を
長い階段に駆け上がって消えた 何かを失っても振り返らずに

あの人が残したカケラを大切に 集めては僕にささやく悲しい人
窓の外には洗濯物が揺れる 何も言わず色とりどりに

あの頃は夢のように 淡く儚く
いつからか萎れた小さな背中に 溜息をつく時は流れた
それでもまだ追いかけているんだよ 君のいる空を

愛してた二人は風のように
あの日の波を覚えているかい
曇りガラスの君の心は
僕はいつでも 覚えているよ
振り向いて
振り向いて

君に似た花に語りかけられて
見えない光に
僕は目を覚ます
それは風のように それは胸の奥に
それは風のように それは胸の奥に...